2026年、すべての従業員にリーチし、情報を届け、エンゲージメントを高めるための実践ガイド
デスクを持たない80%の従業員を含む、全従業員をつなげ、エンゲージメントを向上させ、測定可能な成果を実現する実証済みの戦略をご紹介します。
製造すべての従業員に届く製造業のコミュニケーション戦略を、どう構築すべきか
最もリーチしにくい従業員から始めましょう。なぜなら、午前5時に工場の現場に立つシフト勤務者(たとえば、会社用メールアドレスを持たず、本社とは異なる言語を話す従業員)に届かない戦略は、コミュニケーション戦略とは呼べず、すでに情報を得ている人々向けの配信カレンダーに過ぎないからです。
このような従業員に必要なものは3つ。毎日実際に開くモバイルネイティブなチャネル、自分から探しに行くのではなく能動的に届けられるコンテンツ、そして検索結果ではなく1つの信頼できる回答を返してくれる AI です。
中規模の単一拠点メーカーから、30言語にわたる100以上の拠点を持つグローバルメーカーまで、450社以上の製造業の顧客と協力してきた Staffbase は、工場の現場も含めた全員に届く戦略と、イントラネットを読んでいる人にしか届かない戦略を分けるものが何かを見てきました。その違いは、予算でも意図でもありません。設計です。本ガイドは、私たちが学んできたことをまとめたものです。
製造業のコミュニケーション戦略ガイドで得られること
本ガイドは、製造業における効果的なコミュニケーションを構築するための総合ガイドで、以下の内容を含んでいます。
実践的なフレームワーク:オーディエンスのマッピング、チャネル戦略、自社に応じてカスタマイズできるコミュニケーションモデルをステップごとに解説
実際の顧客事例:Yageo Group が4か月で100拠点の40,000名以上の従業員をつないだ方法、Geberit が7,000名のブルーカラー従業員に初めてリーチした方法、Seaboard Triumph Foods がコンプライアンスリスクを低減しながら年間8,320ドルの翻訳コストを削減した方法
製造業における AI の活用:AI チャットボット、パーソナライズされた音声コンテンツ、ガバナンスレイヤーが、イントラネットで検索できないシフト勤務者にとって何を意味するか
測定可能な成果:つながりのある職場、エンゲージメントの高い従業員、熱心なアンバサダー、そしてそれぞれを経営層に証明する方法
本ガイドで目指せること
本ガイドの内容を実践することで、以下を実現できます。
つながりのある職場の構築:デスクワーカーも非デスクワーカーも、必要な情報に必要なときにアクセスできる環境を整えます。
エンゲージメントの高い文化の醸成:従業員が評価され、サポートされ、組織のミッションと足並みをそろえていると感じられる職場文化を育みます。
熱心なアンバサダーの創出:リーダーシップを信頼し、自分の役割に誇りを感じ、組織のブランドを内側から発信する従業員を生み出します。
製造業の成功は、つながり、エンゲージメント、そして意欲を持った従業員から始まります。本ガイドは、その目標を一歩ずつ実現するための指針を提供します。
第1章:なぜ今これほど重要なのか製造業のコミュニケーションはなぜ難しく、今これほど重要なのか
第2章:モダンな製造業のコミュニケーション戦略に実際に必要なツールとチャネルとは?
第3章:製造業のすべての従業員に届くコミュニケーションの仕組みを構築するには?
第4章:製造業のコミュニケーション戦略が機能しているかを判断するには?
このガイドは2026年に更新され、2026年時点での製造業向けコミュニケーションツール、従業員を取り巻く課題、AI 機能の現状を反映しています。想定する組織の主な条件は、従業員数500人以上、複数拠点または広域に分散した事業体制、そして非デスクワーカーやシフト勤務者が一定数を占めることです。
製造業のコミュニケーションはなぜ難しく、今これほど重要なのか
それは、業界の変化がほとんどのコミュニケーション戦略のスピードを上回っており、その変化の影響を最も受けているのが、最もリーチしにくい従業員だからです。
製造業は今、大きな転換点を迎えています。工場の現場から経営幹部まで、リーダーたちは急速な技術革新、労働力に関する課題、そして先行き不透明な世界という環境の中での舵取りを迫られています。自動化、人工知能、生産プロセスのデジタル化により、仕事のあり方が変わりつつあり、この新しい環境に対応できる人材の育成が急務となっています。
世界経済フォーラムによると、先進製造業における現在のスキル要件の40%が今後5年以内に変化するそうです。この変革は効率化とイノベーションをもたらす一方で、大きな混乱も引き起こします。従業員のスキルアップが必要となり、変化への抵抗を乗り越え、管理室から生産ラインまで、すべての従業員がより大きなビジョンの中での自分の役割を理解できるよう、リーダーが取り組む必要があります。

出典:“Leadership Vision for 2025: Top 3 Strategic Priorities for Chief HR Officers,” Gartner, accessed January 17, 2025. Jordan Turner, “This New Strategy Could Be Your Ticket to Change Management Success,” Gartner, November 28, 2022.
課題は技術的なものだけではありません。人間的な側面もあります。時代遅れのコミュニケーションシステムは非デスクワーカーにリーチできず、信頼を損ない、組織全体に断絶をもたらします。では、技術が進化する中で、従業員が取り残されたと感じないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
労働力の危機:高齢化と人材不足
製造業はまた、深刻化する人材危機とも戦っています。どの工場の現場でも共通しているのが、労働力の高齢化です。世界全体で、製造業の従業員の3分の1が55歳以上です。熟練した従業員が退職するにつれて、数十年にわたる知識と専門性だけでなく、実際の労働力の空白も生まれ、業務継続と生産性の維持に欠かせない空きポストが生じます。
日本をはじめ、米国、ドイツ、英国、オーストラリアなどの国々では、製造業における求人数は驚くほど多く、機械を動かし、生産目標を達成し、成長を維持するために必要な人材を確保できずに苦しむ工場が後を絶ちません。
世界各地で、製造業における人材確保の課題が生産能力と収益性に影響を与えています。
米国:求人全体の約45%が未充足のままであり、製造業の人手不足が生産能力の低下と企業収益への脅威をもたらしています。
アジア太平洋地域(APAC):製造業の75%が人材不足を経験しており、特に技術職や機械操作の分野で深刻です。
英国:2024年9月時点で、製造業の未充足求人数は約56,000件に上ります。
ドイツ:製造業の欠員率は1.8%です。
日本:2024年10月時点の求人倍率は1.25倍で、求職者100人に対して125件の求人があることを示しています。
一方で、若い世代は製造業でのキャリアを敬遠する傾向が続いています。時代遅れの技術というイメージ、成長機会の乏しさ、断絶した企業文化が人材を遠ざけており、特に目的意識、イノベーション、デジタルファーストの体験を求める Z 世代にその傾向が顕著です。オーストラリアでは、製造業の労働力シェアが1984年の14.7%から現在の6.4%へと着実に低下しており、これはグローバルな課題を反映しています。
この人材危機が解決しにくい理由は、コミュニケーションが問題の両面の中心にあるからです。コミュニケーションが不十分な組織は、既存の従業員の定着に苦労するだけでなく、必要な人材の獲得にも苦労します。つながりのない職場環境というは、候補者が入社する前から見えてしまうものからです。Staffbase と YouGov が2025年に実施した従業員調査では、離職を検討している従業員の63%が社内コミュニケーションの不足を要因として挙げており、製造業ではその割合が73%に上ります。
「離職を検討している従業員の63%が、社内コミュニケーションの不足を要因として挙げています。製造業ではその割合は73%に上ります」
2025年 従業員コミュニケーション影響調査、Staffbase / YouGov
成長を続けるために、製造業は自社のアプローチを見直す必要があります。従業員が評価され、サポートされ、共通の目的とのつながりを感じられる、モダンで包括的な職場として自社を位置づけなければなりません。しかしこの転換には、一つの重要な要素が必要です。それは、より良いコミュニケーションです。
安全リスクと、危機対応コミュニケーションの重要性の高まり
労働力と技術に関する課題に加え、製造業はもう一つの厳しい現実に直面しています。危機への脆弱性が増しているということです。工場の現場における物理的な安全上のリスクから、ランサムウェア攻撃のようなデジタルの脅威まで、リスクはその範囲と規模の両面で拡大しています。
従業員にとって、安心して働ける環境は欠かせません。PwC によれば、非デスクワーカーの86%が、安全性はポジティブな職場体験を決定づける要素だと回答しています。しかし安全手順や危機時の情報更新が、マネージャーを通じた情報伝達、紙の掲示、キオスク端末など時代遅れのコミュニケーションシステムに依存している場合、重要なメッセージは埋もれ、遅延し、無視されてしまいます。一方、製造業の仕事に伴う身体的な負荷、特に反復作業は、安全文化に対する継続的な意識の維持を必要とします。
デジタルの脅威については、2024年だけで製造業の56%がランサムウェアの被害を受け、平均的な侵害コストは488万ドルに上ります。財務的な影響にとどまらず、これらの攻撃は業務を混乱させ、従業員の安全を脅かし、経営層の対応能力への信頼を損ないます。

「調査参加者の9%が、緊急時にどのように情報を受け取るかわからない、または答えられないと回答しました。そのグループのうち、組織から十分なサポートを受けていると感じているのはわずか12%でした」
2025年 従業員コミュニケーション影響調査、Staffbase / YouGov
すべての従業員に迅速かつ明確に情報を届け、安心感を与えられる企業は、リスクを軽減するだけでなく、組織全体の信頼とレジリエンスを築くことができます。
製造業の成長を妨げるコミュニケーションの課題
すべての従業員とコミュニケーションを取る必要性は明らかであるにもかかわらず、多くの製造業における社内コミュニケーションとそのツールは、この課題に十分に対応できていません。労働力の80%を占めるとされる非デスクワーカーは、デスクワーカー向けに設計されたツールでは十分にサポートされていません。
2025年の従業員コミュニケーション影響調査によれば、米国の製造業における非デスクワーカーの76%が、会社の変化について「あまり」または「まったく」情報を得られていないと感じています。

非デスクワーカーの96%が、より良いテクノロジーによってコミュニケーションを改善できると回答しているにもかかわらず、多くの従業員は今も掲示板、散発的なマネージャーからの情報共有、使いにくいキオスク端末に頼っています。
このコミュニケーションの機能不全が影響を及ぼすのは、生産性だけではありません。企業文化、信頼、エンゲージメントを損なっていきます。従業員のうち自社を信頼しているのはわずか53%です。さらに、非デスクワーカーの60%が、評価されておらず組織とのつながりを感じられないと回答しています。
多くの企業では、従業員の声が届かないという意識から、従業員調査への参加率が低くなっています。PwC によると、従業員エンゲージメントと文化に関する調査を実施している製造業者はわずか58%にとどまり、実施している企業の中でも4社に1社は、実際に参加している非デスクワーカーは半数以下だと回答しています。
コミュニケーションが自分に関係ない、時代遅れ、アクセスしにくいと感じられると、従業員は心が離れていきます。エンゲージメントの低下は見えないコストとなり、離職率の上昇、生産性の低下、労使関係の悪化につながります。
より良いコミュニケーションは、製造業に具体的な変化をもたらせるか?
従業員が本当に情報を得られていると感じたとき、ビジネス上の成果は測定可能な形で現れます。
まず、定着率は大幅に改善します。2025年の従業員コミュニケーション影響調査では、自社のコミュニケーションを「優れている」と評価する従業員の76%が「継続して働く可能性が非常に高い」と回答し、さらに14%が「やや高い」と回答しています。一方、コミュニケーションを「不十分」と評価する従業員では、「非常に高い」と回答したのはわずか20%、「やや高い」は13%にとどまります。
熟練した非デスクワーカー1名の採用にかかるコストが10,000ドルから40,000ドルに上る市場において、この差は抽象的なメリットではなく、具体的なものです。
コミュニケーションが影響するのは定着率だけではありません。従業員の60%以上が、コミュニケーションが以下の項目に「ある程度」または「大きな」影響を与えると回答しています。
職場全体での生産性(63%)
最善を尽くすためのモチベーション(67%)
会社のビジョンとミッションへの理解(65%)
こんな職場を想像してみてください。
工場の現場から経営幹部まで、すべての従業員が情報を得られ、つながりを感じ、変化に適応する力を持っている。
リーダーが信頼され、明確な目的を持ってコミュニケーションを取れている。
モダンなツールがデスクワーカーと非デスクワーカーの距離を縮め、リアルタイムで情報がシームレスに流れている。
従業員が安心感を持ち、評価され、エンゲージメント高く、組織の成功を推進するアンバサダーになっている。
より良い製造業のコミュニケーション戦略は、メッセージを送ることだけではありません。組織のあらゆるレベルで、つながり、信頼、レジリエンスを構築することです。この後の章では、このビジョンを実現するためのツールとステップを提供します。
今日から取り組める3つの改善策
リーダーシップに質問できる機会を設ける:自動化、安全、その他の重要な変化に関する従業員の懸念に答えるため、オンラインまたは対面でなんでも質問できるセッションを企画しましょう。
安全に関する情報を発信する:既存のチャネルを活用して、安全手順や最近の改善点についての簡潔なメッセージを送りましょう。
危機通知システムの整備:緊急時に即座にコミュニケーションが取れるよう、チームが SMS またはプッシュ通知ツールにアクセスできる環境を整えましょう。

モダンな製造業のコミュニケーション戦略に実際に必要なツールとチャネルとは?
それは、最もリーチしやすい人ではなく、シフトで現場に立つ人のために作られたものです。多くの製造業の組織には、デスクに座っている20%の従業員向けのツール(イントラネット、会社用メール、SharePoint など)はすでに揃っています。しかし残りの80%に向けた信頼できる手段は存在していません。
従業員アプリは、リーチしにくい従業員が会社のニュース、安全情報、シフトスケジュール、人事サービスにアクセスするためのデジタルの入口です。従業員が実際に確認する、唯一の場所です。Staffbase On Air のようなパーソナライズされた音声コンテンツを提供することができ、テキストの更新情報を短いブリーフィングに変換して、デスクのない従業員が通勤中に読む代わりに聞けるようにします。同じアプリに Staffbase Navigator のような AI アシスタントを組み込むことで、自分で検索結果を掘り下げることなく、勤務する工場と役割に応じた一つの検証済みの回答を提供できます。
オーディエンスを理解する
最も効果的なオーディエンスマッピングは、「この組織において、最も難しいコミュニケーションの課題は何か?」という一つの問いから始まります。多くの場合、答えは非デスクワーカー、シフトパターン、言語の多様性、またはその組み合わせに関係しています。まずその課題を解決するために戦略を構築しましょう。午前5時にシフトを始め、本社とは異なる言語を話し、会社用メールアドレスを持たない従業員にも届く戦略であれば、他の全員にも機能します。
製造業では、同じ従業員は一人もいません。組み立てライン作業員からエンジニア、倉庫マネージャーまで、それぞれの役割によって優先事項、コミュニケーションのニーズ、ツールへのアクセス方法は異なります。しかし多くの組織は、コミュニケーションを画一的に扱っており、的外れなメッセージになりがちです。
オーディエンスを理解することが、効果的なコミュニケーションの第一歩です。従業員の役割、拠点、言語、好みをマッピングすることで、メッセージが確実に響くようにアプローチをカスタマイズできます。
従業員の声に耳を傾けましょう。アンケート、フォーカスグループ、監査などのツールを活用して、コミュニケーションの課題と従業員の好みを把握します。次のような質問が効果的です。
現在、どこから情報を得ていますか?
もっとつながりを感じるために、どんなツールが必要ですか?
現在のコミュニケーションのやり方で、不満なことはなんですか?
従業員について深く知るほど、コミュニケーションはより的確でインパクトのあるものになります。その結果、時間を節約し、ノイズを減らし、信頼を高めることができます。
製造業向けオーディエンスマッピングの実践フレームワーク
組織内の従業員セグメントごとに、以下の項目を把握しましょう。
デバイスへのアクセス:会社支給のデバイスを持っているか、共用デバイスを使っているか、個人のスマートフォンのみか?
メールへのアクセス:会社用メールアドレスを持っているか?
言語:主要な業務言語は本社と同じか?
シフトパターン:通常の送信時間帯に休憩や引き継ぎのタイミングがあるか、それともシフトの途中にあたるか?
情報ニーズ:安全かつ適切に業務を遂行するために何を知る必要があるか、そして現在実際に届いている情報は何か?
5つの項目すべてで最も条件が厳しいセグメントこそ、戦略を構築する際の基準となる対象です。
インクルーシブなコミュニケーション戦略を設計する
インクルーシブなコミュニケーションとは、すべての情報を全員に送ることではありません。すべての従業員セグメントに、デバイスのアクセス環境、言語、シフト、必要な情報の種類に合った、本当に機能するチャネルがあることを意味します。
製造業のコミュニケーションで最もよく見られる失敗パターンは、「じょうろ式アプローチ」と呼ばれる、同じメッセージを、同じ形式で、同じチャネルを通じて全従業員に一斉に配信するやり方です。すべての情報が全員に届くと、コンテンツはどのグループにとっても関連性がなくなるほど汎用的なものになります。非デスクワーカーは自分向けの情報ではないと感じて読むのをやめ、デスクワーカーは情報の量に圧倒されて読むのをやめます。やがて、すべてのグループで関心が失われていきます。従業員が情報を求めていないからではなく、そのチャネルからはノイズしか届かないと学習させてしまったからです。
全員にすべての情報を送ると、誰も読まなくなります。情報を届けるには、スマートなターゲティングが必要不可欠です。
効果的なのは、役割、拠点、シフト、言語によってコンテンツをターゲティングするアーキテクチャです。
これには手作業のリスト管理でも、オーディエンスごとに用意された別々のツールでもなく、プラットフォームレベルでのターゲティング機能です。適切なプラットフォームであれば、担当者が一度公開するだけで、新しいオーディエンスセグメントのたびに IT チケットを立てることなく、システムが自動的に適切なバージョンを適切な人に届けます。
インクルーシブなコミュニケーションの具体例
埼玉工場向けの安全情報は、別で送信したり他のツールを使うことなく、埼玉工場の従業員だけに届く
全社向けのお知らせは、各バージョンの手作業による翻訳ワークフローなしに、すべての従業員の言語で届く
シフトリーダー向けのブリーフィングは、対応が遅すぎる3時間後ではなく、シフトが始まる前に届く
新入社員はシステムに登録された瞬間、自動的にオンボーディング情報を受け取る
このターゲティングの考え方は、誰にどのコンテンツを届けるかという編集上の判断にとどまりません。AI が質問に答える方法や、音声アップデートの配信方法にも同様に適用されます。
非デスクワーカーが AI アシスタントに安全手順について質問したとき、別の施設のポリシーを返してしまうかもしれないグローバルなナレッジベースからではなく、その従業員の工場と役割に応じた範囲から返答されるべきです。シフト勤務者が出勤途中に音声ブリーフィングを受け取るとき、それは全社アップデートではなく、自分のチームの優先事項を反映したものであるべきです。
どちらも包括性の問題であり、根本原因は同じです。システムが対象者を区別するように設計されていなければ、誤った情報が誤った人に届いてしまうのです。
能動的な配信が受動的な公開より優れている理由
製造業のコミュニケーションツールは、往々にして時代遅れのままです。多くの組織が今も掲示板、キオスク端末、月次ニュースレター、マネージャーを通じた情報伝達に頼っています。これらのアプローチは遅く、断片的で、信頼性に欠け、遅延、混乱、機会の損失につながります。
モダンなコミュニケーションには、モダンなチャネルが必要です。まずノイズを減らし、従業員が最も目にしやすい場所にメッセージが届くよう、明確なチャネル戦略を策定しましょう。
非デスクワーカー向け:個人のデバイスで最新情報、リソース、手順にアクセスできるモバイルファーストの従業員アプリを優先します。役割と拠点に応じた範囲で質問に即座に答える AI アシスタントを含めることも重要です。
工場の現場:デジタルサイネージを活用して、重要なリアルタイム情報を発信し、従業員が常に状況を把握できるようにします。
直属のマネージャー向け:チーム固有のアップデートを届け、デスクワーカーと非デスクワーカーのつながりを促進するツールを提供し、どこで働く従業員にもコミュニケーションが届くようにします。
目標はチャネルを増やすことではなく、それぞれのチャネルに明確な目的と効果を持たせることです。これらのチャネルを一か所で管理・測定しやすくすることで、コミュニケーション担当者は簡単に明確さと一貫性を確保できます。
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しかしチャネルの選択だけでは十分ではありません。もう一つ考えるべきことが配信モデル、つまり情報がどこに保存されているかだけではなく、情報がどのように従業員に届くかです。ここでは2つのモードが連携して機能します。
プッシュモデルは情報を能動的に届けます。従業員アプリへのブランドに合わせたプッシュ通知、危機アラートの SMS、シフト開始前の音声ブリーフィングなど、情報が人の元に届きます。Staffbase のデータによれば、ブランドに合わせたプッシュ通知は、ブランドなしのものと比べて従業員へのリーチを2.6倍以上高めます。プッシュ通知は、緊急のアップデート、安全アラート、そして従業員が自分から聞く前に知っておくべき情報に適したモデルです。
プルモデルは、従業員が質問を持って来たときに機能します。ナレッジベース、ポリシー文書、役割と拠点に応じた範囲で即座に回答するアプリ内の AI アシスタントなどはすべて、特定の情報を能動的に探している従業員をサポートします。プルは、どのプッシュのスケジュールも先読みできない、多様な情報ニーズの長い裾野に対応します。
どちらのモードも、モダンな製造業のコミュニケーション戦略に欠かせません。重要なのは、どちらをいつ使うかを見極めることです。
プッシュモデルとプルモデル:場面によって適したモデルを選ぶ
場面 | 適したモデル | 理由 |
|---|---|---|
安全手順の変更 | プッシュ(従業員アプリ) | 次のシフト前に必ず届ける必要があり、従業員が自分で探すのを待てない |
危機アラート | プッシュ(SMS) | アプリやメールへのアクセスに関係なく全員に届く |
シフト変更のお知らせ | プッシュ(従業員アプリ) | 出勤前に知る必要がある |
「〇〇の機械の手順は?」 | プル(AIアシスタント) | 従業員が具体的な質問を持っており、自分の状況に応じた回答をすぐに得られるべき |
ポリシーやハンドブックの確認 | プル(従業員アプリ、AIアシスタント) | 従業員が自発的に確認するもので、速度より内容の充実が重要 |
オンボーディング資料 | 両方 | 初日にプッシュで届け、後から特定の情報を探す際はプルで対応 |
モダンなチャネルこそが、組織全体の明確さ、効率性、つながりを実現するための鍵です。
従業員アプリ:80%の従業員にとっての主要チャネル
従業員アプリが非デスクワーカー中心の製造業において主要チャネルとして適しているのには、明確な構造上の理由があります。会社用メールアドレスを持たず、決まったデスクもなく、勤務中にブラウザベースのイントラネットを開く理由もない従業員に対して、先回りした情報発信と日常業務に役立つ機能の両方を提供できる唯一のチャネルだからです。
モバイルで使えることと、モバイル向けに設計されていることは同じではありません。この違いは重要です。多くの組織は、既存のデスクトップ向けイントラネットをモバイル端末でも利用できるようにすることで、現場のチャネルに関する課題を解決しようとしてきました。しかし、その結果できあがるのは、15インチの画面とキーボードで使うことを前提に設計されたシステムを、単に小さく、遅くしたようなものです。非デスクワーカーは一度試しただけで、使わなくなってしまいます。専用の従業員アプリは、従業員が実際に持ち歩く端末で使うことを前提に、最初から設計されています。片手で操作できるナビゲーションと、作業の合間に確認できる短い時間でも、自分に必要な情報が得られるコンテンツ設計を備えています。
メールアドレスは不要
製造業で働く非デスクワーカーの多くは、会社用メールアドレスを持っていません。「会社用メールアドレスを入力してください」から始まる認証方法では、最初の画面にたどり着く前に、非デスクワーカーの大半を対象外にしてしまいます。
専用の従業員アプリなら、この障壁を取り除けます。Staffbase は、オンボーディング資料、休憩室のポスター、社員証などに印刷できる QR コードによるログインに加え、ユーザー名とワンタイムパスワード、パスキー、生体認証にも対応しています。これにより、会社の ID 管理システムを利用できない従業員でもサインインできます。同じ組織のデスクワーカーは、これまでどおり SSO を利用できます。重要なのは、導入が簡単な従業員だけでなく、最もオンボーディングが難しい従業員にも対応できる認証方法を用意することです。
日常的な利便性が、コミュニケーションの習慣をつくる
ニュースだけを配信するアプリは定着しません。導入直後は一度か二度開いても、特に重要な会社のお知らせがない平日の朝に必要な情報が見つからなければ、次第に使われなくなります。半年後には、コミュニケーション部門だけが活用を呼びかけ、従業員には見向きもされないチャネルになってしまいます。
定着するアプリは、コミュニケーションと、従業員が日々行う必要のある業務を組み合わせたものです。たとえば、シフト予定、給与明細、休暇申請、フォームの提出、人事のセルフサービス、オフラインでも確認できるポリシーやハンドブックなどです。従業員が日曜の夜に翌週のシフトを確認するためにアプリを開けば、金曜日に上司が配信した安全に関するお知らせも目に入ります。日常業務に役立つ機能がアプリを開くきっかけをつくるからこそ、コミュニケーションも自然に届くのです。
日常的に役立つ機能が利用習慣を生み、その習慣が信頼につながります。そして信頼が、アプリを真に価値のあるチャネルへと変えていきます。
これはブランディングの議論ではなく、従業員の行動をどう設計するかという問題です。従業員が業務のために毎日開くアプリだからこそ、安全に関する最新情報、経営陣からのメッセージ、企業文化に関するコンテンツを確実に届けられます。一方、コミュニケーションにしか使われないアプリは、個人端末に届くほかのあらゆる通知と競うことになり、結局は見てもらえません。
日常的に役立つという点は、業務タスクに限りません。Staffbase 従業員アプリには、イントラネットで立ち止まって情報を探す余裕のない従業員向けに設計された、2 つの機能があります。
Staffbase On Air は、文章で配信された最新情報を短い音声コンテンツに変換します。従業員は通勤中やシフトの合間に聞くことができ、画面を見る時間はなくても、通勤中に10分程度なら確保できる、という従業員に適しています。
Staffbase Navigator は、アプリ内で利用できる AI アシスタントです。ナレッジベースを検索して結果を一つずつ読む代わりに、従業員が自然な言葉で質問すると、勤務する工場や職務に応じた、確認済みの回答を1つ得られます。
どちらも別のアプリをダウンロードしたり、再度ログインしたりする必要はありません。シフト予定や安全に関する最新情報を確認するために日常的に使っている、同じアプリ内で利用でき流という点が重要です。AI や音声機能が役立つのは、ほかのツールと従業員の注意を奪い合う場所ではなく、すでに毎日開かれているアプリの中なのです。
2つの階層に分けず、1つのプラットフォームにまとめる
世界50か国、26の生産拠点で12,000人の従業員を擁するグローバルな衛生設備メーカーの Geberit では、Staffbase の導入前、オフィス勤務者と現場従業員が別々のコミュニケーションシステムを利用していました。しかし、この仕組みは、解決しようとしていたはずの問題をかえって生み出していました。すべての従業員にツール自体は用意されていましたが、現場従業員に提供される体験は、デスクワーカー向けのものより明らかに見劣りするものでした。その違いは意図せずとも、現場従業員に「自分たちは組織の中で重視されていない」という印象を与えていたのです。
Geberit は、全従業員が利用する1つのプラットフォームを選択しました。導入から最初の8か月で、それまで直接情報を受け取れるデジタルチャネルを持っていなかった約7,000人の現場従業員に情報を届けることができました。同社の社内コミュニケーション責任者である Roman Sidler 氏は、得られた教訓を次のように語っています。「高いエンゲージメントを生み出す鍵は、ストーリーテリングです。技術的な内容であっても、人に焦点が当たるように伝え方を工夫しています」
その成果は、単にリーチが向上したことだけではありません。職務にかかわらず、Geberit の各拠点で働くすべての従業員が、同じコミュニケーション環境の一員であるというメッセージを組織全体に示すことができたのです。
「多くの企業では、非デスクワーカーに情報を届けるために、既存のイントラネットとは別に従業員アプリを導入しています。しかし、私たちにとってその方法は理にかなっていませんでした。Geberit が目指していたのは、すべての従業員の間にあるコミュニケーション格差をなくすことです。一方のグループにはアプリ、もう一方にはイントラネットという形にしてしまえば、同じ格差が再び生まれてしまいます。Staffbase のプラットフォームは、当社にとって最適なソリューションです」
Geberit 社内コミュニケーション責任者、Roman Sidler 氏
組織が別々のシステムから1つのプラットフォームへ移行する理由
デスクワーカー向けと非デスクワーカー向けに別々のツールを用意する2システム構成は、主に3つの理由からうまくいかない傾向があります。
運用負荷が倍増する。編集ワークフローも、ガバナンスの仕組みも2つ必要になります。分析データも別々に管理されるため、簡単に比較することができません。
従業員に組織の分断を感じさせる。異なるシステムを使う従業員は、まるで別々の会社に属しているかのような体験をします。共通のアイデンティティや認識を育むという、社内コミュニケーション本来の価値も、従業員グループごとに異なる仕組みを使っていては損なわれてしまいます。
拡張性がない。非デスクワーカー向けアプリから導入を始めた組織の68%は、1〜2年以内にほかのチャネルへ展開しています。非デスクワーカー専用として選んだアプリでは、後からメール配信、分析機能、本格的なイントラネットが必要になった際に、機能を拡張するのではなく、別のシステムへ置き換えなければなりません。
製造業に適したチャネル構成
製造業では、1つのチャネルだけですべての従業員に情報を届けるのは困難です。最適なチャネル構成は従業員の働き方によって異なりますが、効果的な組み合わせには共通するパターンがあります。
従業員アプリは、非デスクワーカーやシフト勤務者向けの主要チャネルです。メールを利用できない従業員に対して、先回りした情報発信と日常業務に役立つ機能の両方を提供できる唯一のチャネルです。従業員の80%を対象とする製造業のコミュニケーション戦略において、中心的な役割を果たします。
メールは、デスクワーカーにとって引き続き欠かせないチャネルです。各チャネルが連携している環境では、受信トレイを利用できる従業員をイントラネットやアプリへ誘導する役割も果たします。製造業で注意すべきなのは、従業員の大半がメールアドレスを持たないにもかかわらず、メールに頼りすぎることです。メールで届くのは20%、アプリで届くのは80%です。すべての従業員に一貫した情報を届けるには、両方を連携させて活用する必要があります。
SMSは緊急時のチャネルです。一刻を争う危機的な状況で、エンゲージメントではなく、全従業員への確実な周知が求められる場合に適しています。アプリのインストールやログインは不要で、基本的な携帯電話回線さえあれば利用できます。
デジタルサイネージは、休憩室、製造エリア、出入口などの共有スペースで、端末を操作してもらうことなく従業員に情報を届けます。勤務中に個人端末を利用できない、または利用が認められていない環境で、安全に関する情報、シフトの変更、社内ニュースを伝えるのに有効です。
Microsoft Teamsなどのコラボレーションツールは、すでにその環境で働いているデスクワーカー向けのチャネルです。重要なのは、これらのチャネルを含めるべきかどうかではありません。1つのコミュニケーションワークフローに統合されているか、それとも独立した仕組みとして運用されているかです。チャネルごとに個別の配信作業が必要で、分析データも複数のツールに分散している状態は避ける必要があります。
従業員セグメントごとに適したチャネル
従業員セグメント | 主要チャネル | 補助チャネル | 緊急時のチャネル |
|---|---|---|---|
デスクワーカー/ナレッジワーカー | イントラネット+メール | Teams/コラボレーションツール | メールまたはプッシュ通知 |
非デスクワーカー/シフト勤務者(スマートフォンあり) | 従業員アプリ(プッシュ通知) | デジタルサイネージ | SMS |
非デスクワーカー(勤務中は個人端末を使用不可) | デジタルサイネージ | 上司を通じた伝達 | 個人の携帯電話への SMS |
リモートワーカー/フィールドワーカー | 従業員アプリ(プッシュ通知) | メール | SMS |
多言語環境で働く従業員 | Employee App (auto-translation) | Targeted email by language | SMS |
どのオーディエンスにどのチャネルを使い、それらをどう連携させるのか。この設計こそが、コミュニケーション戦略によってすべての従業員へ情報を届けられるかどうかを左右します。どのプラットフォームを選ぶかという技術上の判断は、その後に続くものです。
成功を支える基盤づくり
対象となる従業員を理解すること、誰も取り残さないコミュニケーションを設計すること、そしてチャネルを最新化することは、それぞれ独立した取り組みではありません。これらを組み合わせることで、途切れのないコミュニケーション環境が生まれます。こうした仕組みを整えることで、情報発信は次のように変わります。
職種、勤務地、使用端末にかかわらず、すべての従業員に届く
わかりやすく、関心を引き、意味のある形で従業員に伝わる
適切な情報を、適切なチャネルで、適切なタイミングに届けることで、情報過多を抑え、信頼を築く
これが、製造業のコミュニケーションを成功に導くための基本設計です。すべての従業員が、自分の存在や声が大切にされ、組織の目標とつながっていると感じられる状態を目指します。次の章では、経営層との足並みをそろえ、マネージャーを支援し、信頼を高めるための具体的な方法を見ていきます。
コミュニケーションのツールとプロセスを今すぐ改善するためにできること
オーディエンスを整理する:スプレッドシートなどのシンプルなツールを使い、従業員の職種、勤務地、どう情報を受け取りたいかを整理します。これにより、より対象を絞った情報発信が可能になります。
チャネルを見直す:十分に機能していないコミュニケーションチャネルを1つ特定します。たとえば掲示板などを見直し、デジタルサイネージのような新しい手段への置き換えを検討します。
モバイル中心のツールを試験導入する:まずは1つの工場でモバイルチャネルを導入し、効果を確認しながら段階的に展開します。
短く伝わりやすいコンテンツを作る:最近配信した情報を1つ選び、短い動画やインフォグラフィックに変換します。世代の異なる従業員にも、より関心を持ってもらいやすくなります。
製造業のすべての従業員に届くコミュニケーションの仕組みを構築するには?
重要なのは、適切な順序で構築することです。製造業のコミュニケーションの仕組みがうまく機能しないのは、個々の施策が間違っているからではありません。従業員の実情ではなく、組織側の都合に合わせた順序で進められていることが原因です。経営層は発信の機会が多いため、経営層からの情報発信が最初に行われます。非デスクワーカー向けの環境は整備が難しいため、必要なツールの検討は後回しになりがちです。危機発生時の対応手順に至っては、多くの場合、最初の危機が起きた後になってようやく整備されます。
効果的なフレームワークは、最も情報を届けにくい従業員を起点に、対象を広げていきます。ステップ1では、すでに全社総会に参加している従業員だけでなく、すべての従業員が経営層の姿やメッセージに触れられるようにします。ステップ2では、非デスクワーカーにとって本当に役立つチャネルを提供します。それ以降のステップは、この基盤の上に積み重ねていきます。
ステップ1:経営層の存在を身近なものにし、信頼を築く
どのような組織でも、経営層の姿勢が組織全体の方向性を左右します。経営層との距離が遠い製造現場の従業員にとって、経営層の存在を身近に感じられることは特に重要です。変化や不確実性、成長の局面では、従業員は経営層の姿を見て、その言葉を直接聞きたいと考えています。しかし、多くの経営層はコミュニケーションにおける自らの役割を過小評価したり、マネージャーを通じてメッセージを伝えれば十分だと考えたりしがちです。
しかし、それだけでは不十分です。
PROSCI によると、従業員の61%は、事業に関する最新情報を経営層から直接聞きたいと考えています。なぜなら、経営層の姿勢や考えが見えることで、信頼が生まれるからです。経営層が頻繁に、透明性と誠実さを持って発信することで、従業員は会社の使命とのつながりを感じ、その方向性にも安心感を持てるようになります。
エンゲージメントへの効果は、数字にも表れています。2025年の従業員コミュニケーション影響調査では、経営層から週1回以上情報を受け取っている従業員の77%が仕事に満足していると回答しました。一方、経営層からまったく情報を受け取っていない従業員では、その割合は41%にとどまっています。
顧客に最も近く、価値を生み出す業務を担う従業員が戦略を理解していなければ、組織がその戦略を効果的に実行できるはずがありません。
では、経営層が従業員との距離を縮めるには、何ができるでしょうか。
定期的に全社総会や、従業員からの質問に答える機会を設ける
短い動画で、戦略や成功事例を共有する
従業員が意見を伝えられる双方向のコミュニケーションチャネルを設ける
重要なのは、単に姿を見せることではなく、従業員が声を届けられる存在になることです。従業員との対話に積極的に関わり、明確かつ謙虚な姿勢でコミュニケーションを取る経営層は、信頼を得て、従業員に安心感を与え、製造現場と経営層の距離を縮めます。
「社内で多くの変化が同時に起きているときは、情報をリアルタイムで伝えることが重要です。月刊ニュースレターも補完的な役割を果たしますが、情報発信は継続的に行う必要があります」
Wieland 戦略・事業開発担当シニアバイスプレジデント兼 CIO、Michael Demmer 氏
ステップ2:非デスクワーカーのデジタル体験を優先する
非デスクワーカーは多くの組織を支える重要な存在ですが、従来のコミュニケーションツールはデスクワーカー向けに設計されていることが多く、十分に対応できていないのが実情です。非デスクワーカーには、どこにいても情報や組織とのつながりを保ち、仕事への関心を高められる、直感的でモバイルに適したツールが必要です。
コミュニケーションツールが現場のニーズに合っていなければ、重要な最新情報が届かず、混乱やエンゲージメントの低下につながります。必要な情報へ直接アクセスできる環境を整えることで、非デスクワーカーは会社の方針を把握し、自分の役割を理解し、支援されていると感じながら働けるようになります。その結果、組織全体の一体感が高まり、生産性と意欲の向上にもつながります。
PwC の調査では、非デスクワーカーが特に重視する要素として、次の3つが挙げられています。
仕事の意義を実感できること(86%):自分の仕事が会社の使命にどう貢献しているかを理解できる
評価されること(78%):成果を認めることで、組織への信頼や帰属意識を高める
個人の成長を後押しすること(68%):成長や能力開発の機会が、仕事への満足度につながる
これらの要素を踏まえることで、組織はグローバルな戦略と各現場の実情を結びつける、意義のある魅力的なコミュニケーションを実現できます。
現場のマネージャー:コミュニケーションの隔たりを埋める
非デスクワーカーを支援することは重要ですが、チームを率いる現場のマネージャーも、エンゲージメントを高め、組織とのつながりを育むうえで重要な役割を担っています。現場のマネージャーには、情報を伝える立場として、また組織文化を浸透させる存在として、特有のニーズがあります。適切なツールとトレーニングを提供することで、従業員と会社の使命を結びつけ、重要事項を効果的に浸透させられるようになります。
直属の上司は、従業員から最も信頼されている情報源です。57%の従業員が、直属の上司を「非常に信頼している」と回答しています。(出典:2025年の従業員コミュニケーション影響調査)

マネージャーを支援するには、次のような方法があります。
従業員アプリなどのモバイル中心のツールを活用し、最新情報をわかりやすく、一貫して伝えられるようにする
マネージャーが明確かつ自信を持って伝えられるようトレーニングする
マネージャーから従業員へ直接情報を届けられる仕組みを整え、人づての情報伝達への依存を減らす
Seaboard Triumph Foods では、従業員支援プログラムを現場のマネージャーが積極的に紹介できるようにしたことで、エンゲージメントが目に見えて向上しました。現場のマネージャーが十分な情報と手段を持って発信できれば、経営層の戦略と従業員の行動をつなぐ重要な役割を果たします。
「従業員が仕事に求めているのは、給与だけではありません。この点で、製造業は対応が遅れてきました。しかし Seaboard Triumph Foods では、従業員をきちんと評価し、支えるために、これまで以上の取り組みを進めています。Staffbase を活用してそうした取り組みを補完し、各種プログラムを広く周知することで、その効果を最大限に引き出せていることは、大きな成果につながっています」
Seaboard Triumph Foods、Erin Cantrell氏
現場のマネージャーは、単なる情報伝達の仲介役ではありません。従業員同士や組織とのつながりを育む重要な存在です。明確かつ自信を持って情報を伝えられるよう支援することで、各地域のチームを、グローバルな目標を共有する、意欲と成果の高い組織へと変えていくことができます。
製造業で従業員アプリを定着させるには?
製造業向けの従業員アプリが日常的に使われるようになるか、6か月以内に使われなくなるかを左右する要素は3つあります。簡単にアクセスできること、日々の業務に役立つこと、そしてデスクトップ向けの仕組みを流用するのではなく、モバイル向けに設計されていることです。
誰でも簡単にアクセスできること:製造業の非デスクワーカーの多くは会社用メールアドレスを持っていないため、一般的な認証方法では最初から利用できません。社員証、休憩室のポスター、オンボーディング資料などに印刷できるQRコードによるログインに加え、ユーザー名とワンタイムパスワードによる方法を用意すれば、この障壁を取り除けます。デスクワーカーは、これまでどおりSSOを利用できます。重要なのは、導入が簡単な従業員だけでなく、最もオンボーディングが難しい従業員でも利用できる認証方法にすることです。
コミュニケーションより先に、日常的な利便性を提供すること:アプリを開く理由が社内ニュースだけでは、多くの従業員が数週間で使わなくなります。日常的に利用されるアプリは、コミュニケーションと、従業員がもともと必要としている業務を組み合わせています。たとえば、シフト予定、給与明細、休暇申請、人事のセルフサービス、オフラインでも確認できるポリシーなどです。従業員が日曜の夜にシフトを確認するためにアプリを開けば、金曜日に工場長が配信した安全に関する最新情報も目に入ります。日常業務に役立つ機能が利用のきっかけとなり、その結果、情報も届くのです。
デスクではなく、実際に使う端末に合わせて設計すること:デスクトップ向けイントラネットをモバイル対応にしただけでは、非デスクワーカー向けアプリとはいえません。片手で操作できるナビゲーションや、従業員が実際に持ち歩く画面に合わせたレイアウトは必要不可欠です。これらが、日常的に使われるアプリと、一度試しただけで使われなくなるアプリを分ける要素です。
実際に必要な機能
メールアドレス不要のアクセス:QRコードまたはワンタイムパスワードでログインでき、会社用メールアドレスは不要
日常業務に役立つ機能:シフト予定、給与明細、休暇申請、フォーム、ポリシーに加え、社内ニュースや安全に関する最新情報を提供
対象を絞ったコンテンツ配信:埼玉工場向けの安全情報は埼玉工場の従業員に、全社向けのお知らせはすべての従業員に、それぞれの業務言語で配信
プッシュ型とプル型の情報提供を1か所に集約:緊急の最新情報はプッシュ通知で届け、必要な情報は職務や勤務地に応じた AI アシスタントからすぐに確認
その結果、職種、勤務地、使用端末にかかわらず、すべての従業員が自分に必要な情報へアクセスできるようになります。複雑な手順や、その場しのぎの対応は必要ありません。
ステップ3:オンボーディングを効率化し、初日から組織文化を根づかせる
製造業のオンボーディングがうまくいかない主な原因は、コンテンツの質ではありません。必要な情報が、必要な人に、必要なタイミングで届いていないことです。そして、最も重要なのが入社初日です。初日の体験を整えれば、人材の定着につながります。反対に、そこでつまずけば、職場に慣れる前に離職されてしまう可能性があります。
第一印象は重要です。製造業にとって、オンボーディングは新入社員の定着を左右する重要な機会です。適切に実施すれば、従業員が組織とのつながりを感じ、自信を持ち、会社の使命を理解して働くための土台になります。一方、十分に機能しなければ、離職やエンゲージメントの低下、リソースの浪費につながります。
数字にもその深刻さが表れています。UKGによると、製造業における離職の68%は、入社後90日以内に発生しています。つまり、この3か月間は、従業員に組織文化を浸透させられるか、それとも完全に失ってしまうかを左右する期間です。後者がもたらすコストも見過ごせません。米国では、熟練した非デスクワーカー1人を補充するための平均コストは、10,000~40,000ドルに上ります。

従来のオンボーディングは、手続きや書類対応に偏りすぎることが多く、新入社員に負担感を与え、自分が大切にされていない、仕事への意欲が湧かないと感じさせてしまいます。オンボーディングでは、従業員が仕事で成果を上げるために必要な準備を整えると同時に、会社の歩みや価値観への理解を深めてもらうことが重要です。
オンボーディングを効率化するには、次のような方法があります。
オンボーディングのワークフローを自動化し、安全手順、勤務スケジュール、人事関連ツールなどの重要な情報を、適切なタイミングで、短くわかりやすい形で提供します。
組織文化を伝えるメッセージをプロセス全体に組み込み、会社の価値観や目的、そして組織全体の中で自分が果たす役割を、新入社員が理解できるようにします。
デジタルツールを活用し、新入社員が意見を伝えたり、質問したりできる機会を設け、初日から安心して働ける環境を整えます。
適切に設計されたオンボーディングは、新入社員が短期間で自信を持ち、意欲的に働くチームの一員になるのを後押しします。同時に、「あなたを大切にし、その成功を支えていく」という組織の姿勢も明確に伝えられます。
Seaboard Triumph Foods の事例:30以上の言語を話し、会社用メールアドレスを持たない製造現場の従業員を、どうオンボーディングするか?
従業員がすでに持ち歩いているチャネルに、オンボーディングを組み込みます。Seaboard Triumph Foods はまさにそれを実践し、新入社員の初日の体験を大きく変えました。
Seaboard Triumph Foods は、従業員2,800人のうち80%が非デスクワーカーである食品メーカーです。同社も、まさにこの課題に直面していました。従業員が使用する言語は30以上にのぼります。印刷物や人手による翻訳に頼る従来のオンボーディングは、時間とコストがかかるうえ、提供する情報にもばらつきがありました。新入社員は必要な情報を十分に得られないまま入社初日を迎え、安全手順が守られているかを確認することも困難でした。
Staffbase の導入により、Seaboard は使用言語や端末の利用環境にかかわらず、すべての新入社員にすぐに届く、モバイル中心のオンボーディングを実現しました。入社初日から、従業員が最も使いやすい言語でコンテンツを提供できるようになりました。安全手順もデジタルで配信し、閲覧状況を追跡することで、確実に遵守されている状況を確認できるようになりました。
成果は導入当初から数字に表れました。全従業員の64%がプラットフォームに登録し、週次アクティブユーザーは738人、日次アクティブユーザーは196人に達しました。翻訳コストだけでも、大幅な削減を実現しています。
「以前は翻訳会社を利用しており、1~6文の翻訳に40ドルかかっていました。Staffbase がなければ、年間で8,320ドルの翻訳費用が発生し続けていたことになります」
Seaboard Triumph Foods、Erin Cantrell 氏
しかし、その効果はコスト削減だけにとどまりません。それまで会社と直接つながる手段を持たなかった従業員も、入社したその日から、自分の言語で利用できるチャネルを持てるようになりました。オンボーディングは、単なる手続きや規則の確認ではなく、組織とのつながりを実感する最初の機会へと変わったのです。
ステップ4:グローバルなつながりと地域ごとの関連性を両立する
多くの製造業企業は、複数の地域、文化、言語にまたがるチームを抱え、グローバルに事業を展開しています。こうしたつながりはイノベーションを促進する一方で、会社全体の目標に向けて足並みをそろえながら、各地域のニーズにも対応するにはどうすればよいかという課題も生み出します。
重要なのは、グローバルな一体感と、各地域に合った情報発信を両立することです。従業員は、統一されたブランドの一員であると感じると同時に、会社の成功において自分がどのような役割を担っているかを理解する必要があります。また、コミュニケーションには、地域ごとの価値観、文化、優先事項を反映し、現地の従業員に響く内容が求められます。
多くの製造業企業では、このバランスを取るために、次のような取り組みが効果を上げています。
地域ごとのコンテンツ戦略を策定する
上層部から一方的に情報を伝える仕組みを見直し、各地域のリーダーがチームに合わせてメッセージを調整できるようにする
マネージャーなど、コミュニケーションを専門としないリーダーにも、チームに合った効果的な最新情報を伝えるためのツールとトレーニングを提供する
自発的なコミュニティを育てる
会社の価値観と地域ごとの優先事項の両方に沿った、現場発のコミュニティを育て、各拠点でのつながりを強化する
ブランドの価値を伝え、現場のストーリーを共有し、エンゲージメントを高める地域の推進役や協力者を見つける
多言語対応とアクセシビリティに優れたツールを活用する
翻訳ツールを使って全社向けの最新情報を複数の言語で届け、誰も取り残されないようにする
AIを活用して、親しみやすく自然な語り口のコンテンツを作成する。特に、従来の企業メッセージに距離や自分との関連性の薄さを感じやすい非デスクワーカーにとって、理解しやすく身近な情報発信につながる
グローバルなつながりを実現している組織の事例
Daimler:分散型のコミュニケーション体制により、各地域のチームが現場の具体的なニーズに対応しながら、会社全体のグローバルな方針と足並みをそろえられるようにしています。
Geberit:AI ツールを活用して、わかりやすく親しみやすいコンテンツを作成しています。これにより、企業からの情報発信に対する距離感を和らげ、文化や言語の違いを越えてエンゲージメントを高めています。
MAN:多言語でのコミュニケーション戦略と地域の推進役を組み合わせることで、グローバルと各地域の両方に響く、統一性と柔軟性を備えた仕組みを構築しました。
地域に合わせたコミュニケーションがもたらす効果
BCG の調査によると、従業員をグローバルにつなぎながら、各地域で主体的に行動できるよう支援することには、大きな効果があります。
生産性の向上:満足度の高い従業員は、生産性が17%向上します。
離職率の低下:コミュニケーションを改善し、意義のあるエンゲージメントを生み出すことで、離職率を25%低減できます。
出勤状況の改善:満足度の高い従業員は、欠勤率が41%低下します。
従業員が全社的な使命と足並みをそろえながら、地域のチームとのつながりも感じられる環境を整えることで、意欲と帰属意識を持ち、会社の成功に貢献できる組織が生まれます。
Yageo Group の事例:100以上の拠点で働く40,000人の従業員を、4か月でつなぐには?
最初から各地域に合った仕組みを設計し、その後の運用はプラットフォームに任せます。Yageo Group は、グローバルで働く全従業員を対象とした統一コミュニケーションプラットフォームを4か月で導入し、初年度に90%のアクティブユーザー率を達成しました。
Yageo Group は、100以上の拠点で40,000人を超える従業員を擁する、電子部品のグローバルメーカーです。Staffbase の導入前は、多数の拠点、言語、タイムゾーンをまたいで、一貫性を保ちながら各地域にも合った従業員体験を提供することが、仕組み上の大きな課題となっていました。本社から一方的に発信された情報は、別の地域の製造現場には十分に響かないことが少なくありませんでした。
プラットフォームは、38の地域向けにそれぞれ最適化した形で導入され、各地域に合わせたコンテンツが提供されました。従業員は、全社ニュースに加えて、地域別の最新情報を日常的に使用する言語で受け取れるようになりました。特に利用率の高い機能の1つであるソーシャルウォールでは、80%のエンゲージメントを達成しています。従業員がストーリーを共有し、同僚の貢献を称え、拠点を越えてつながりを築ける場となっています。
「新しいプラットフォームの導入により、『One Yageo, One Team, One Goal』というビジョンの実現に、また一歩近づきました」
YAGEO Group
90%というアクティブユーザー率は、導入直後だけの一時的な伸びではありません。会社全体のメッセージと、自分たちに向けて作られたと感じられるコンテンツが1つのチャネルに集約されていたからこそ、従業員は毎日利用する価値を見いだしていたのです。
言語や文化にかかわらず、すべての従業員が情報を受け取り、組織とのつながりを感じられるようにするには?
鍵となるのが、多言語対応と文化的な背景に配慮したコミュニケーションです。単に翻訳するだけでは十分ではありません。従業員それぞれの状況や経験に合った、心に響くメッセージを届ける必要があります。AI を活用したコンテンツ作成などの最新ツールを使えば、タイムリーで親しみやすく、自分に関係のある情報だと感じられる発信が可能になります。
言語や文化の壁を越えることで、組織は信頼、協力、帰属意識を育み、すべての従業員が大切にされていると感じられる環境をつくることができます。
「Geberit では、わかりやすく誰もが利用しやすいコミュニケーションを重視しているため、従業員のエンゲージメントが高まり、強い帰属意識が生まれています」
Geberit
ステップ5:危機発生時のコミュニケーションに備える
危機が発生したとき、明確かつ迅速に情報を伝えられる組織は、状況を適切に管理できます。一方、それができない組織は信頼を失い、ときには人材まで失うことになります。安全上の事故、設備の故障、サイバー攻撃が単なる可能性ではなく、繰り返し起こり得る現実である製造業にとって、危機発生時のコミュニケーションは、あると望ましい付加的な取り組みではありません。事業運営に欠かせない能力です。
製造業において、危機は起こるかどうかではなく、いつ起こるかの問題です。安全上の事故、設備の故障、サイバー攻撃、自然災害などによって、いつでも業務が中断する可能性があります。こうした重大な局面では、コミュニケーションの良し悪しが、混乱に陥るか、状況を適切に管理できるかを左右します。
製造・生産業の企業の約3分の2(65%)が、過去1年間にランサムウェア攻撃を受けたと報告しています。(出典:Sophos)
危機発生時に適切に対応するには、従業員に対して、明確でタイムリーかつ具体的な行動につながる情報を届ける必要があります。情報提供の遅れや曖昧なメッセージは信頼を損ない、従業員と事業運営の双方を危険にさらします。製造業のリーダーが目指すべきことは明確です。混乱が生じた際に、すべての従業員が何をすべきか、どこへ向かうべきかを把握できるようにすることです。
効果的な危機発生時のコミュニケーション計画には、次の要素が必要です。
従業員にすぐ届く連絡手段であるプッシュ通知や SMS を活用し、安全に関する最新情報、業務上の変更、重要な対応手順を迅速に知らせます。確認ボタンを設ければ、新しい安全手順を従業員が読んだかどうかも確認できます。
簡単にアクセスできる安全関連情報を、古いバインダーやキオスクの中に埋もれさせるのではなく、モバイルアプリからいつでも確認できるようにします。
明確で一元化された危機発生時のコミュニケーション計画で、経営層やマネージャーが、迅速かつ正確に、一貫した情報を発信できる体制を整えます。
安全に関する重要な情報が、すべての従業員に確実に届いたことを証明するには?
確認状況を追跡します。Seaboard Triumph Foods では、安全手順の更新を Staffbase アプリで配信し、従業員に既読確認を求めています。従業員は、内容を読み、理解したことを報告します。30以上の言語を話し、複数のシフトで働く2,800人の従業員を対象とする環境でも、これにより、安全手順が守られていると推測するのではなく、確認可能な記録として残せます。
特に危機発生時には、対応の速さが重要です。重大な局面で明確に情報を伝えられる製造現場のチームは、リスクを軽減できるだけでなく、従業員の信頼と安心感も高められます。
成功を支える仕組み
経営層の存在を従業員にとって身近なものにすること、現場のマネージャーを支援すること、オンボーディングを効率化すること、そして危機に備えることは、それぞれ独立した取り組みではありません。これらは、変化に強いコミュニケーションの仕組みを支える重要な要素です。組み合わせることで、次のような環境を実現できます。
経営層が、透明性の高い情報発信と従業員とのつながりを通じて信頼を得る
マネージャーが、明確な情報発信、組織文化の浸透、エンゲージメント向上を支える存在になる
新入社員が、入社初日から大切にされていると感じ、会社の方針を理解できる
混乱が生じた際にも、チームが適切かつ自信を持って対応できる
コミュニケーションは、より強く、つながりのある組織を築くための土台です。この仕組みを整えることで、製造業企業はさまざまな課題に対応し、信頼を築き、従業員が力を発揮できる環境をつくることができます。
より良いコミュニケーションの土台を築くために、すぐに実践できる取り組み
経営層との全社総会を設定する:経営層が最新情報を共有し、従業員からの質問に答えるオンラインまたは対面のイベントを計画します。
マネージャー向けの説明ポイントを用意する:今後予定している全社的な取り組みについて、現場のマネージャーに説明の要点を提供し、一貫した情報発信ができるようにします。
新入社員へのフォローを自動化する:メールやモバイルプラットフォームを活用し、入社後1週間の新入社員にオンボーディングメッセージを自動で送信します。
重要な文書を1つ翻訳する:安全や社内規程に関する重要な最新情報を1つ選び、従業員が使用する言語に翻訳します。

製造業のコミュニケーション戦略が機能しているかを判断するには?
重要なのは、何を配信したかだけでなく、従業員が実際に何を受け取り、理解し、行動に移したかを測定できることです。開封率やページビューから分かるのは、情報が配信されたということだけです。埼玉工場の組立ラインで働くシフト勤務者が、安全に関する最新情報を読み、内容を理解し、実際に行動を変えたかどうかまでは分かりません。製造業のコミュニケーション効果を測定する際、多くの組織がつまずくのは、この隔たりです。
最新のコミュニケーションプラットフォームなら、この隔たりを埋めるために必要なデータを得られます。ただし、そのためには3段階の測定を順に進める必要があります。
効果測定が重要な理由
コミュニケーションの成果は、送信したメールの数、掲示したポスターの枚数、開催した会議の回数といった、表面的な指標だけで判断されがちです。
こうした件数は簡単に追跡できますが、本当に重要な次の問いには答えられません。
従業員はメッセージを目にしたか
内容を理解したか
実際の行動につながったか
コミュニケーションの成果を測定することで、実際にどのような効果があったかに焦点を当てられます。どのような情報が従業員に響いているのか、何がエンゲージメントを高めているのか、どこにまだ課題があるのかを把握できます。さらに、コミュニケーションを離職率の低減、安全手順の遵守率向上、より良い組織文化の醸成といった、幅広い事業目標と結びつけることもできます。
何が機能し、何が機能していないかを把握できれば、施策を見直して改善し、コミュニケーションへの取り組みから得られる価値を最大化できます。
成功の定義:重視すべき3つの成果
従業員同士や組織とのつながりを強め、エンゲージメントと意欲を高めるには、コミュニケーションの成果を次の3つの測定可能な観点から捉える必要があります。
成果1:従業員が組織とつながっている
どのような状態か:混乱や危機が生じた際にも、従業員が必要な情報を受け取り、組織の方針を理解できています。どこで情報を確認すればよいかを把握し、その正確性を信頼して、必要な行動に移せる状態です。
主な指標:メッセージの到達率と確認率
重要な理由:サイバー攻撃、安全上の事故、自然災害による緊急事態など、危機発生時には一刻を争います。タイムリーで明確な最新情報を従業員に確実に届けられるかどうかが、混乱に陥るか、状況を適切に管理できるかを左右します。
例:製造業企業で予期せぬ業務上の問題が発生したため、モバイルのプッシュ通知を使って非デスクワーカーに知らせます。従業員は数分以内に最新情報を受け取り、内容を確認して、業務の進め方を変更します。これにより、安全性と生産性を維持できます。
事例:2024年に CrowdStrike の障害によって世界各地の Microsoft システムに影響が生じた際、56拠点で200,000人の従業員を擁する製造業の Staffbase ユーザー企業は、オフィス勤務者と工場勤務者の双方に途切れることなく情報を届けました。障害発生中はプラットフォームの利用が通常の2倍に増えましたが、円滑なコミュニケーションを維持し、業務を滞りなく継続できました。
成果2:従業員のエンゲージメントが高い
どのような状態か:オンボーディングによって離職率が低下し、従業員が会社の文化や存在意義とのつながりを感じています。自分の仕事に意欲的に取り組み、その貢献が会社の成功にどうつながるかを理解している状態です。
主な指標:定着率と従業員のセンチメントスコア
重要な理由:エンゲージメントは、単なる満足度ではなく、会社の方向性との足並みがそろっているかを示すものです。エンゲージメントの高い従業員は、長く働き、より高い成果を上げ、会社を支持する存在になります。
例:自動化されたオンボーディングを通じて、新入社員の入社後90日間に、段階的な資料、組織文化に関するメッセージ、必要なサポートを提供します。早い段階で疑問を解消し、帰属意識を育むことで、この重要な期間の離職率を低減できます。
成果3:組織を積極的に支持する従業員
どのような状態か:従業員が会社の目標を理解するだけでなく、その実現を積極的に後押ししています。組織について前向きに語り、自分の仕事に誇りを持ち、ブランドの価値を社内外に伝える存在になっている状態です。
主な指標:会社の目標への理解・共感度、従業員からのフィードバック、主要施策へのエンゲージメント
重要な理由:会社の目標と足並みがそろっている従業員は、成長やイノベーションを促進し、前向きな組織文化の形成に貢献します。
例:定期的な動画配信や全社総会を含む、経営層の存在を身近にする施策を導入した結果、従業員から、経営層への信頼や会社の戦略に対する理解が高まったという回答が得られました。センチメントスコアからも、仕事への誇りと意欲の向上が確認できます。
コミュニケーションの成果を測定する方法
効果測定の仕組みを複雑にする必要はありません。まず、事業目標に結びついた明確な目標を設定し、次の3つの領域で成果を追跡します。
明確な目標を設定する:コミュニケーションの目標を、組織全体の優先事項と結びつけます。たとえば、安全手順の遵守率を20%向上させる、入社後90日以内の新入社員の離職率を15%低減する、パルスサーベイで測定する経営層への信頼度を高める、といった目標です。
情報の到達度、エンゲージメント、センチメントを追跡する:Staffbase Smart Impact などのツールを活用し、次の3つの観点から測定します。到達度(何人の従業員がメッセージを閲覧し、確認したか)、エンゲージメント(従業員が行動を起こしたか、フィードバックを寄せたか)、センチメント(従業員がコンテンツや自分との関連性をどのように受け止めたか)
定期的にフィードバックを集め、必要に応じて軌道修正する:パルスサーベイ、フォーカスグループ、分析ダッシュボードなどを活用して、リアルタイムのフィードバックを収集します。そのデータから課題を特定し、コミュニケーション戦略を改善します。
Staffbase スマートインパクトのようなツールを使えば、コミュニケーションの成果をリアルタイムで把握できます。進捗状況を追跡し、従業員の感情傾向や会社の目標への理解・共感度を測定しながら、継続的に施策を最適化できます。
Staffbase スマートインパクト機能を詳しく見る
コミュニケーション施策の効果測定を今すぐ始めましょう
明確な目標を1つ設定する:たとえば、「次の四半期までにメッセージの確認率を20%向上させる」など、測定可能な目標を設定します。
最近配信したコンテンツを分析する:直近の全社向けコンテンツについて、到達率と確認率を確認し、改善できる点を特定します。
パルスサーベイを活用する:たとえば「会社の最新情報を十分に得られていると感じますか?」といった1問だけの簡単なアンケートを実施し、従業員からリアルタイムでフィードバックを集めます。
継続的にフィードバックを集める仕組みをつくる:デジタル意見箱を設置したり、短時間のフォーカスグループインタビューを実施したりして、現在のコミュニケーション施策を従業員がどのように受け止めているかを把握します。
次のステップ
製造業の成功には、組織とのつながりを感じ、意欲を持って働ける従業員が欠かせません。コミュニケーションが機能していれば、従業員は単に情報を受け取るだけでなく、それを信頼し、理解し、行動に移せます。
このガイドでは、最新のコミュニケーションの仕組みを構築するために必要なツール、戦略、手順を紹介してきました。
対象となる従業員を理解し、それぞれのニーズに合わせて情報を届ける
経営層やマネージャーが、明確な情報発信と組織とのつながりを促進できるよう支援する
オンボーディングなどのプロセスを効率化し、定着率と帰属意識を高める
迅速で信頼できるコミュニケーションツールを整え、危機に備える
成果を測定し、施策が実際の効果につながっているかを確認する
この基本設計を活用すれば、単にメッセージを配信するだけでなく、すべての従業員を会社の使命、価値観、未来へとつなぐ、成功の土台を築くことができます。
コミュニケーションの強化に向けて、次の一歩を踏み出しませんか?